床柱のリメイク T-21
埼玉県 Y様

サイズ:φ600 x H700 mm
塗装:浸透性ウレタン塗料(下地)、植物性オイル
ご注文方法についてはこちらをご覧下さい。
想い出のつまった家を解体することになり、建材を何か利用できないかとご相談いただきました。
家の写真を拝見し、床柱(とこばしら)や管柱(くだばしら)は何かに活かせるのでは、とご提案いたしました。

床柱は貼物ではなく、モミジ(?)と思われる立派なものでした。
また、真壁の家でしたので、管柱は節の少ないヒノキでした。
※真壁とは柱などの構造材を室内に見せる工法です。柱が意匠となるので、良質材が使われます。
新居での生活のイメージを伺いながら、床柱はサイドテーブル、管柱は木の玉子にすることに決まりました。
木の玉子は特に用途は決まっていませんでしが、インテリアとしてヒノキの清らかな香りが落ち着きをもたらしてくれますし、にぎにぎしても良いのではないかと思います。
またお風呂に入れることで、手軽にヒノキ風呂のような雰囲気を感じることができます。
テーブルは頂いたスケッチを元に設計しました。



天板の材は、ブックマッチで木取ることができました。
ブックマッチとは、製材した隣り合わせの板を本を開く様に並べて合わせる技法で、木目が左右対称になるのが特徴です。

上の画像は床柱の背割りのところで半分に切ったあと撮影したものです。
木目が左右対称になってるのが分かるでしょうか?
表面をきれいに整え、下のような木目になりました。


とても緻密な材でしたので、表面を磨くとキラキラとした杢があらわれました。
また、カエデ類に特徴的な杢も。

こちらの木目は杢と言ってよいのか分かりませんが、キクイムシが侵入した痕跡です。
キクイムシが持ち込んだ菌に木が反応し、治癒しようとした跡で、言わばかさぶたのようなものです。
※キクイムシには共生菌(アンブロシア菌)を体内に保有する専用の器官があり、木に穴を開けて共生菌を植え付け、栽培し、エサとします。
自然が作り出した造形美ともいえます。ギタートップなんかにも使われます。
木の玉子は30個ほど作りました。

玉子パックに入れると、本当に玉子みたいですね。(笑)

ご依頼主は当初、家を解体することに寂しさを感じ、心を痛めていたようでしたが、新たに生まれ変わった製作品を見て、とても晴れやかな気持ちになっていただけたと思います。
約60年前に家を建てた亡き父母も喜んでいると、お言葉をいただきました。
次の世代へ受け継ぐお手伝いができとても光栄な仕事でした。
Y様この度はご依頼ありがとうございました。

コメント