埼玉県 F様
脚部材質:ナラ(長野県産)
サイズ:W1300 x D750 x H680 mm
塗装:ブライワックス
ご注文方法についてはこちらをご覧下さい。
お持ちのテーブルが使いづらいので、リメイクしてほしいとご相談いただきました。
テーブルを拝見したところ、高さが二段階で変化する昇降式になっていました。
普段は低い方で使うことはなく、高い方に設定してダイニングテーブルとして使っているとのこと。
座った際に、昇降式ゆえ幕板が膝にあたってしまい、お困りのようでした。
また、高さを少し高くしたいとのご希望がありました。
天板だけを活かして、脚部のみ新たに製作する形でご提案いたしました。
ご希望をまとめると以下の通りでした。
・脚部の形状は「ロの字型」または「I型」のどちらか
・高さはH680mm
・棚板をつける
・運搬や搬入を考慮して、ノックダウン式(組み立て式)にする
何パターンかご提案し、最終的に以下の図面で製作することになりました。
天板厚が20mmと薄かったので、それに合わせて脚の部材も薄くし、華奢なデザインにしました。
華奢なデザインでも、接合部はしっかりホゾで組んでいますし、重厚なナラ材を使用していますので強度は十分です。
下の写真は接合部の様子です。
貫通させた二つのホゾ先からそれぞれクサビを打ち込み先を広げていますので、抜けることはまずありません。
天板、脚、棚板はそれぞれ六角穴付きのボルトを使って接合します。
六角レンチさえあればどなたでも組立分解が可能です。
F様この度はご依頼ありがとうございました。
脚部材質:ナラ(長野県産)
サイズ:W1300 x D750 x H680 mm
塗装:ブライワックス
ご注文方法についてはこちらをご覧下さい。
今回使用した材木について…
天板はオーク材(北米産のナラ)で作られていました。
当工房では国産ナラ材をストックしていましたので脚部は、ナラ材で製作することにいたしました。
ストックしていたナラ材は、長野県白馬村岩岳で伐採されたものです。
ここまで材木の産地がはっきりと分かるのはまれです。
全国で広がっているナラ枯れ被害に遭う前に、用材として利用できるようまとめて伐り出されました。
ナラ枯れが広がっているのは、薪炭材の利用減少が背景にあるとされています。
薪炭林が伐られなくなり、育ちすぎた木がナラ枯れの被害に遭っているのです。
ナラ枯れは1990年代から多発し始め、2010年をピークに被害は減少傾向にありましたが、2020年に急増し、世間でも知られるようになりました。
今回使用したナラ材が伐り出されたのは2021年です。
伐採後には、森林は再生し、次世代へと更新していきます。
森林を健全に保つためには、ある程度人の手を入れて、若返りを図るのがよいのです。
以上のような背景があって産地がはっきりと分かりますが、国産の広葉樹は産地まではっきり分かるものは非常に少ないです。
野菜や果物のように、なになに県産とわからないのです。
地場産の材木をブランドとしてアピールするために、産地を明確化する動きも出てきていますが、まだまだ少ないのが現状です。
国産材を使って家具を製作している身として、もどかしい思いでありますが、お客様に安心して家具を使っていただくためにも、今後、国産広葉樹の産地が明確化されるよう期待しています。
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